犬や猫と暮らしていると、ゴキブリが出ても気軽に殺虫剤を使えませんよね。「この薬、うちの子が舐めたら大丈夫…?」その心配は、正しい感覚です。
実は、市販の殺虫剤の中には、特に猫にとって危険な成分があります。
知らずに使ってしまうと、大切なペットが中毒を起こすことも。でも安心してください。ポイントさえ押さえれば、ペットがいる家でも安全にゴキブリ対策はできます。
この記事では、看護師ママの視点で「ペットに危険な対策・安全な対策の違い」から「犬・猫それぞれの注意点」「もし食べてしまったときの対応」まで、正確な情報だけをまとめました。
愛犬・愛猫を守りながら、ゴキブリのいない家を目指しましょう。
【結論】ペットがいる家のゴキブリ対策は「安全な3つ」でOK
先に結論です。犬や猫がいる家庭でも、次の3つを押さえれば、安全にゴキブリ対策ができます。
- ① 寄せ付けない「忌避タイプ」を使う:殺虫成分でゴキブリを倒すのではなく、近づけないタイプ。ペットのいる空間でも取り入れやすい
- ② ベイト剤(毒餌)は”置き場所”で安全に:ペットの口が届かない場所に設置すれば、毒餌は有効な選択肢
- ③ 殺虫剤に頼らない物理的対策:侵入口をふさぐ・清潔を保つなど、そもそも寄せ付けない環境づくり
そして、絶対に知っておいてほしいのが「猫はある殺虫成分に非常に弱い」という事実です。これを知らないと危険なので、次で詳しく説明します。
なぜ普通の殺虫剤はペットに危険なの?(特に猫は要注意)
市販の殺虫剤の多くには、ピレスロイド系という殺虫成分(ペルメトリン、フェノトリンなど)が使われています。この成分が、特に猫にとって危険なんです。
理由は、猫の体のしくみにあります。猫はピレスロイド系の成分を分解する肝臓の酵素(グルクロン酸抱合酵素)の働きが弱いため、体内でうまく代謝できません。さらに、猫は毛づくろい(グルーミング)で体をなめる習性があるため、体についた成分を口から取り込みやすいのです。
その結果、猫がピレスロイド系の成分を多く取り込むと、よだれ・震え・けいれんなどの神経症状を起こすことがあり、重症の場合は命に関わるケースも報告されています。
一方で、犬はピレスロイド系をある程度分解できるため、猫ほど神経質になる必要はありません(ノミダニ予防薬にも使われるほどです)。ただし、犬用の高濃度な薬剤を猫に使うのは絶対にNG。犬に使った薬剤に猫が触れただけで中毒を起こした例もあります。多頭飼いの家庭は特に注意してください。
大事な補足:とはいえ、家庭用の殺虫スプレーやくん煙剤に含まれる濃度は薄めなので、正しく使えば過度に怖がる必要はありません。危険なのは「猫に直接かかる」「なめてしまう」「犬用の濃い薬剤を誤用する」といったケース。要は”使い方”が全てです。次から、安全な使い方を具体的に説明します。
ペットがいても使える、安全なゴキブリ対策3つ

ここからは、犬・猫がいる家庭でも安心して使える対策を具体的に紹介します。「倒す」より「寄せ付けない・触らせない」がキーワードです。
① 寄せ付けない「忌避タイプ」を使う
一番おすすめなのが、ゴキブリを殺すのではなく**「近づけない」忌避タイプ**です。殺虫成分をまき散らさないので、ペットのいる空間でも取り入れやすいのが魅力。
たとえば、寝室などに置ける電子タイプの忌避器なら、コンセントに差すだけで、ゴキブリが嫌がる成分を部屋に広げてくれます。死骸も出ず、強い刺激臭もないので、「殺虫剤はどうしても不安」という飼い主さんにぴったりです。
私自身、妊娠中にペットのような感覚で(笑)この手の忌避タイプに助けられました。使い方や効果は、こちらのレビュー記事で詳しく紹介しています。
→マモルーム記事はこちらへ
たとえば「マモルーム ゴキブリ用」の場合、アース製薬の公式Q&Aでは、マモルームはペット同居環境でも使えると案内されています。
有効成分は哺乳動物の体内で分解・排出されやすい性質で、いたずら防止のロック機能付きカバーなどの配慮設計もあります。ただし、閉め切った狭い部屋で使うときはときどき換気を。
ただし、これはマモルームの場合です。ひとくちに「忌避タイプ」といっても、製品ごとに使われている成分は異なります。特に魚類・鳥類・爬虫類・昆虫などは、犬や猫よりも殺虫・忌避成分に敏感な場合が多いため、油断は禁物です。
どの製品を使うときも、必ずパッケージや説明書の「使用上の注意」で、お使いのペットがいる環境で使えるかを確認してください。少しでも不安があれば、かかりつけの動物病院に相談すると安心です。
② ベイト剤(毒餌)は”置き場所”で安全に使える
「毒餌なんて、ペットが食べたら危ないのでは?」そう思いますよね。でも、ベイト剤(毒餌)は”置き場所”さえ工夫すれば、ペットがいる家でも有効な対策です。
ブラックキャップなどの容器型のベイト剤は、中の薬剤がケースで覆われていて、ゴキブリは入れるけれど、犬や猫の口・舌は届きにくい構造になっています。そのうえで、次の場所に置けば安全性がぐっと高まります。
- 冷蔵庫の下・洗濯機の裏など、ペットが入り込めないすき間
- シンク下や引き出しの奥など、扉で仕切られた場所
- 家具の裏の、ペットが鼻を突っ込めない狭い隙間
逆に、ペットが自由に歩ける床の上や、じゅうたんの上などに無防備に置くのはNG。**「ゴキブリは通れるけど、うちの子は触れない場所」**を選ぶのがコツです。
それでも、好奇心旺盛な子やいたずら好きな子の場合は、念のため設置場所を定期的にチェックしてあげると安心です。ブラックキャップの効果的な置き方や個数は、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ブラックキャップについてはこちらへ
③ 殺虫剤に頼らない「物理的対策」が一番安全
薬剤をいっさい使わない対策なら、ペットへのリスクはゼロ。実は、これが一番安全で確実なゴキブリ対策でもあります。
やることはシンプルです。
- 侵入口をふさぐ:排水口・換気口、エアコンのドレンホース、玄関や窓のすき間、配管まわりなど、ゴキブリの入り口を物理的にふさぐ
- エサを断つ:ペットフードを出しっぱなしにしない(これ、意外な盲点です)、生ゴミはすぐ処分、食べこぼしを残さない
- 水気をなくす:ゴキブリは水を求めて来ます。ペットの水飲み皿の周りや、シンクの水滴もこまめに拭く
特に見落としがちなのが、ペットのごはん。出しっぱなしのフードや、こぼれた餌は、ゴキブリにとって最高のごちそうです。食べ残しはすぐ片づけ、フードは密閉容器で保管しましょう。
侵入口の具体的な場所とふさぎ方は、こちらで詳しくまとめています。
→侵入経路の徹底的な塞ぎ方はこちらへ
犬・猫別、気をつけたいポイント
同じ「ペット」でも、犬と猫では注意すべき点が違います。特に猫は、犬より慎重になる必要があります。
猫がいる家庭は「ピレスロイド系」に特に注意

前半でお伝えした通り、猫はピレスロイド系(ペルメトリン、フェノトリンなど)の殺虫成分を分解する力が弱く、中毒を起こしやすい動物です。猫がいる家庭では、製品ラベルにピレスロイド系成分がないか特に確認しましょう
- 殺虫スプレーやくん煙剤を使うときは、必ず猫を別室へ。使用後はしっかり換気し、薬剤が乾く・空気が入れ替わるまで戻さない
- 猫の体に直接かからないようにする。猫は毛づくろいで体をなめるため、体についた成分を口から取り込んでしまいます
- 犬用のノミダニ駆除薬(スポットタイプ)を、絶対に猫に使わない。犬用は高濃度で、猫には非常に危険です
もし猫によだれ・体の震え・けいれん・ふらつきなどの症状が出たら、すぐにかかりつけの動物病院へ。その際、「ピレスロイド系の殺虫剤を使った」と伝えると、診察がスムーズになります。
犬は比較的安全。でも油断は禁物
犬は猫よりリスクが低いとされますが、誤食や高濃度製品の接触は危険です
- 毒餌や殺虫剤を直接食べさせない。犬は好奇心で口にしがちなので、置き場所に注意
- 使用中・使用直後は別室へ。猫ほどではなくても、薬剤を吸い込ませない配慮は必要
- 大量に舐めた・食べた場合はすぐ動物病院へ。「大丈夫だろう」と自己判断しない
犬でも猫でも、共通して大切なのは**「薬剤に触れさせない・舐めさせない・吸わせない」**こと。この3つを守れば、リスクは大きく下げられます。
くん煙剤(バルサンなど)はペットがいても使える?
「一気に駆除したいけど、くん煙剤ってペットがいても大丈夫?」これもよくある疑問です。答えは、使えます。ただし、正しい手順を必ず守ることが条件です。
くん煙剤は、ペットの種類ごとの注意を守ったうえで使用してください
- すべてのペットを部屋の外に出す。犬・猫はもちろん、ハムスターなどの小動物も、ケージごと別室へ
- 鳥・爬虫類・両生類・昆虫も必ず別室へ。これらの生き物は殺虫成分への感受性が高く、少量でも危険です
- 使用後はしっかり換気し、薬剤が落ち着いてからペットを戻す。ケージや食器、おもちゃに薬剤がかかっていないかも確認を
特に注意が必要なのが観賞魚などの水生生物です。バルサンの公式情報によると、魚に対する毒性が強いため、水槽のある部屋ではくん煙剤を使用できません。水槽と魚を家の外(別の建物・ベランダなど、煙が届かない場所)に完全に出す必要があります。ドアのすき間から煙が漏れて、水やエアーポンプに薬剤が付着してしまうためです。外に出したあとも、3日間はくん煙剤を使った部屋に戻さないようにしてください。水生生物がいる場合は、必ず公式の注意事項に従ってください。爬虫類・両生類も、魚と同じ注意が必要です。
そして重要なのが、動かせない水槽がある場合は、隣の部屋であってもくん煙剤は使わないでください(公式でそう案内されています)。水槽が動かせない家庭では、くん煙剤ではなく、ベイト剤(毒餌)や物理的対策など、水生生物に影響しない方法を選びましょう。
使い方の詳細は、こちらのくん煙剤の記事も参考にしてください。
→バルサン・アースレッドの使い方記事へ
ペットがゴキブリを食べてしまったら?
犬や猫が、ゴキブリを捕まえて食べてしまう…これ、実はよくあることです。特に猫は本能で動く虫に飛びつきます。「毒とか大丈夫…?」と不安になりますよね。
まず安心してほしいのは、ゴキブリを1匹食べただけで重大な問題になるとは限りませんが、体調変化には注意しましょう。ゴキブリ自体を食べたことで即座に重大な事態になるケースは多くないと説明されています。卵を持ったゴキブリを食べても、卵は胃酸で消化されるので心配いりません。
ただし、次の点には注意が必要です。
- お腹を壊すことがある:ゴキブリは排水溝やゴミ周りを移動する「ばい菌の運び屋」。サルモネラ菌などの細菌を運んでいることがあり、特に胃腸の弱い子・シニア・子犬や子猫は嘔吐や下痢が出ることがあります
- 寄生虫のリスク:ゴキブリが寄生虫の卵を運んでいる可能性があります
- 一番の注意点=殺虫剤・毒餌を食べたゴキブリ:毒餌(ベイト剤)を設置している家庭では、駆除薬を食べて弱ったゴキブリをペットが食べると、間接的に薬剤を取り込んで中毒症状を起こす危険があります(太字)
そのため、毒餌を使っている家庭では、弱ったゴキブリや死骸をペットが食べないよう、こまめに片づけることが大切です。
食べてしまった後は、慌てず数日間は体調の変化を観察してください。嘔吐・下痢・元気がない・よだれ・震えなどの異常が見られたら、すぐにかかりつけの動物病院へ。その際、殺虫剤や毒餌を使っているかを伝えると、獣医さんの判断に役立ちます。
「様子がおかしい」と感じたら、自己判断せず相談するのが一番安全です。
よくある質問(FAQ)
Q:猫を飼っていると、ゴキブリがいなくなるって本当?
A:猫は本能で動く虫に飛びつくため、ゴキブリを捕まえることはあります。ただ、「猫がいれば完全にゴキブリがいなくなる」わけではありません。捕まえても食べずに飼い主のもとへ持ってくることもあります。猫任せにせず、毒餌や侵入口対策など、きちんとした対策を併用しましょう。
Q:ペットがいる家で、置き型の毒餌(ブラックキャップなど)は使っても大丈夫?
A:使えます。ブラックキャップの有効成分(フィプロニル)やコンバット(ヒドラメチルノン)は、哺乳類への毒性が比較的低い成分です。ただし、ペットが容器ごとかじったり、中身を食べたりしないよう、必ず手の届かない場所に設置してください。万一大量に食べてしまった場合は、動物病院に相談を。
Q:ホウ酸団子は、ペットがいても使える?
A:おすすめしません。ホウ酸は中毒の危険があり、ペットが誤って食べると危険です。ペットがいる家庭では、容器に入った市販のベイト剤(ブラックキャップなど)の方が安全です。
Q:スプレー式の殺虫剤を使ったあと、どのくらいで部屋に戻していい?
A:使用後はしっかり換気し、薬剤が乾いて空気が入れ替わってからペットを戻してください。特に猫は薬剤に弱いため、床に薬剤が残っていないか(なめてしまわないか)も確認しましょう。
自分の対策で手に負えないときは、プロに相談
いろいろ対策しても、ゴキブリが減らない・何度も出る…そんなときは、無理せず専門の駆除業者に頼るのも一つの方法です。
「でも、ペットがいる家に業者を呼んで、薬剤とか大丈夫…?」と不安になりますよね。実は、プロの業者だからこそ、ペットに配慮した施工が相談できます。たとえば、ペットのいる家庭には薬剤を空間に撒かない「ベイト工法(毒餌を使った施工)」を選べる業者もあります。予約前に「犬(猫)がいるので、ペットに安全な方法でお願いしたい」と伝えれば、それに合わせた提案をしてもらえます。
業者選びで失敗しないためのポイント(費用相場・ぼったくりの見分け方・口コミで選べるサービス)は、こちらの記事で詳しくまとめています。ペットがいる家庭こそ、「口コミと事前相談で業者を選べる」仕組みを活用するのがおすすめです。
ちなみに、ペット対応の業者を探すなら、くらしのマーケットが便利です。予約前にチャットで業者に直接質問できるので、「猫がいるのですが、ペットに配慮した施工はできますか?」と事前に確認してから頼めます。口コミや顔写真を見て選べるので、「誰が来るかわからない業者は不安…」という飼い主さんにも安心です。

まとめ|ペットがいても、安全にゴキブリ対策はできる
犬や猫と暮らしていても、ポイントを押さえれば、安全にゴキブリ対策はできます。最後に大切なことをまとめます。
- 猫はピレスロイド系の殺虫成分に弱い。殺虫スプレーやくん煙剤を使うときは、必ず別室へ移して換気を
- 安全な対策の柱は3つ=①寄せ付けない忌避タイプ ②置き場所を工夫した毒餌 ③殺虫剤に頼らない物理的対策
- 毒餌はペットの届かない場所に。ホウ酸団子は避け、容器入りのベイト剤を選ぶ
- 観賞魚がいる部屋ではくん煙剤は使わない(水槽ごと家の外へ)
- ゴキブリを食べてしまっても1匹なら大きな心配は少ないが、異変があれば動物病院へ
大切な家族であるペットを守りながら、ゴキブリのいない安心な家を目指しましょう。まずは、殺虫成分を撒かずに使える忌避タイプから試してみるのが、ペットのいる家庭には安心です。
参考サイト
本記事は、以下の公式情報・関連資料を参考に作成しました。
- アース製薬「マモルーム」公式サイト
https://www.earth.jp/mamoroom/ - アース製薬 FAQ「ブラックキャップ」は、子供やペットがいる部屋で使ってもよいですか
https://www.earth.jp/support/faq/detail.aspx?id=10490&a=102&isCrawler=1 - アース製薬 FAQ「ブラックキャップ」の容器を触ったり、なめてしまった場合
https://www.earth.jp/support/faq/Detail.aspx?id=e384c516a64796b5162475362446a346f473678396a31646b5275374c3779756f342f716a5357347 - アース製薬 FAQ「ブラックキャップ」は食器棚の中に置いて使ってもよいですか
https://www.earth.jp/support/faq/detail.aspx?id=10496&a=102&isCrawler=1 - アース製薬 FAQ「ブラックキャップ」の効果はどれくらい持続しますか
https://www.earth.jp/support/faq/detail.aspx?id=471&a=102&isCrawler=1 - アース製薬 FAQ「ブラックキャップ」の薬剤を食べたゴキブリはどこで死にますか
https://www.earth.jp/support/faq/detail.aspx?id=467&a=102&isCrawler=1 - アース製薬 製品ページ「ブラックキャップ 12個入」
https://www.earth.jp/products/black-cap/ - アース製薬 SDS「ブラックキャップシリーズ」
https://www.earth.jp/common/images/sds_black-cap.pdf - Panasonic 住宅設備・空調ブログ「猫のピレスロイド系薬の中毒」
https://solution.hvac.panasonic.com/blog/vet/permethrin - J-GLOBAL「ピレスロイド中毒が疑われた猫の一例」
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201102206587708644


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